2016年05月22日

 

DIAMOND V3000LS-5+LED-UVを導入

短納期にも小ロットにも高品質にも事故防止にも効果を発揮

 

DIAMOND V3000LS-5+LED-UV

DIAMOND V3000LS-5+LED-UV

お客様の思いを「印刷(かたち)」にすることを標榜する㈱プライズコミュニケーション(本社・東京都江東区大島2の9の25、小野綾子社長)では、しっかりとしたコミュニケーションにより営業マンが顧客の潜在要求まで汲み取り、それに細やかに対応している。そのような対応をするためには、大量の印刷受注を十把一絡げにして機械的に淡々と処理していくのではなく、高い印刷品質と精度、短納期対応、確実な検品体制の確立、環境配慮型印刷、商業印刷物以外の立体製作物・大判印刷・デジタルブックなどの一括製造といった、たしかな印刷・製造体制というバックグラウンドは欠かすことができない。同社ではその体制のいっそうの強化を図るため、平成25年10月、リョービMHIグラフィックテクノロジー㈱製のLED-UV乾燥システム搭載菊全寸延び判薄厚兼用5色印刷機「DIAMOND V3000LS-5+LED-UV」を導入した。

 

 

営業マンがいるからこそ

顧客のこだわりを具現化

 

同社は昭和48年に創業した総合印刷会社。企画・デザインから製本・後加工のほか、大判インクジェット印刷やデジタルブック制作までを自社内で一貫生産することにより、高い品質を安定的に保つことができる製作体制を敷いている。同社の印刷部門では「DIAMOND V3000LS-5+LED-UV」のほかに、菊全判両面兼用8色機、菊全判5色機、菊半裁4色機をラインアップ。印刷機の構成からもわかる通り、高品質カラー印刷をメーンの営業分野としている。

小野綾子社長

小野綾子社長

高品質な印刷製品を求める顧客は、当然ながらさまざまなこだわりや要望を寄せる。同社では、受けた仕事を自社のルールに合わせて画一的に処理をするネット受注にはない細やかさこそが、自社で工場設備と営業マンを持つ印刷会社の採るべき道と志す。小ロット生産や短納期要請は言うにおよばず、特殊な用紙への対応、大判印刷、事故・トラブルのない納品体制、特色・多色印刷といったあらゆる顧客ニーズに応えている。「顧客とのパートナーシップを大事にし、商業印刷物に限らずあらゆる要望に応えることを意識して営業している。印刷通販という受注形態が広がったことで、営業マンを有する印刷会社としては、小ロット化、短納期、高品質印刷への対応力を兼ね備えることは、これから必要となる最低限の条件になると感じている」(小野社長)

高品質な印刷物を製作するにあたり、特殊紙を指定されることは多い。しかし、特殊紙はインキ乾燥性に劣るため、短納期に対応することが難しい。同社でも例に漏れずそのような特殊紙の仕事が多くある。「直接取引ならば納期について交渉することもできるが、代理店が間に入った取引の場合は納期交渉をする余地すらない。そこで、インキ乾燥のための時間を十分に取れないような納期設定の場合は、1枚ずつ間紙を入れて次工程に回すなどの手間をかけて対応していた。その中でも裏付きやピンホールといった印刷事故が起こることもあり、刷り直しをすることもあった」と小野社長は以前の状況を振り返る。印刷会社は利益率が高い業種ではないので、人手や手間をかけて人件費が増えたり、ましてや刷り直しをするとなるとその負担は大きい。また、印刷事故は顧客からの信頼を損なうことにもなる。そこでこのような問題の解として求めたのが、同社としては初めてとなるUV印刷機の導入だ。

 

LEDで納期対応力が強化

刷り出し損紙の枚数も激減

 

導入するUV印刷機を選定するにあたり、これまでは外注に出していたB全判の仕事の印刷ができるサイズであることを前提とし、かつ「印刷機は長い年月使うが、その間に時代や技術はどんどん進んでいく。だからこそ、その時点における最先端の技術・設備を導入したい」(小野社長)ということから、オゾンレスでしかも低電力なゆえにこれからUV印刷の主流になると目されるLEDを選択。これらの条件に合致する印刷機として、「DIAMOND V3000LS-5+LED-UV」の導入を決めた。

この「DIAMOND V3000LS-5+LED-UV」の導入によって、同社の納期対応力は圧倒的に向上した。インキ乾燥に1日以上要するような用紙や裏付きなどが起こる可能性がある高濃度な印刷でも、「DIAMOND V3000LS-5+LED-UV」を使うことでより高い品質で顧客に提供することができる。同社生産本部の井上章一本部長は「印刷してから後加工に回すまで、インキ乾燥のために半日から1日待っていたが、それがもう必要なくなった。LED-UV印刷はインキ代が高いことから負担が大きいと覚悟していたが、インキ乾燥やパウダーにまつわる印刷事故がゼロになり、しかも刷り出しまでの枚数が削減できていることもあるので、トータルではメリットの方が大きい。また、インキが即乾するのでどんてん印刷による刷版の削減効果もある」と、その効果を語る。

荒谷睦課長

荒谷睦課長

刷り出しまでの枚数が削減されているのは、「DIAMOND V3000LS-5+LED-UV」に搭載されている、印刷物の色調制御と欠陥検査の両方を行うインライン品質制御装置「DIAMOND EYE-S」の効果だ。この「DIAMOND EYE-S」は、紙面に近接したラインセンサーで印刷物1枚1枚の絵柄全体を読み取り、目標濃度に最速で近づけるようにインキキーを自動制御するもの。印刷機上の高い位置にあるカメラではなく紙面に近接したセンサーで読み取るので、その距離の違いから高精度な色調制御を可能としている。また、印刷開始から刷了まで全自動で目標濃度を外さないロックオン機能により、印刷オペレーターは抜き取り作業やインキキー調整から解放される。さらに、汚れやピンホールなどの欠陥を検出する機能も兼ね備えている。「これまでは印刷中の抜き取り時に汚れやピンホールを目視でチェックしていたので見落とすこともあるが、“DIAMOND EYE-S”によって検品での問題はゼロになり、しっかりとした品質保証体制が確立した」と、同社印刷課の荒谷睦課長は評価する。この評価は社内だけでなく顧客からも同様で、LED-UV印刷と「DIAMOND EYE-S」の相乗効果によって、高品質も短納期も要求する高級ブランド関連の仕事やコンサートパンフレットなどで、「DIAMOND V3000LS-5+LED-UV」での印刷を指定されることも多い。また、油性印刷機でやった仕事のリピートについても、ジャパンカラーに準拠した社内ルールを設けていることから、カラーマッチングについて問題が起きたことはなく、むしろ褒められることもあるほどだ。

 

インライン品質制御により

刷ったものすべてが売上に

 

井上章一本部長

井上章一本部長

同社の平均印刷ロットは5000~1万通しで、小ロットの仕事が多い。その面でも「DIAMOND V3000LS-5+LED-UV」の機能が活躍する。ジョブ替えについては、全自動全色同時版交換装置「サイマル・チェンジャー」によって版替え時間が短縮し、色出しの時間も前述の「DIAMOND EYE-S」の効果があり、格段に短縮された。迅速なジョブ替えと色合わせ、通常時は毎時1万4000回転という高速印刷、印刷と同時に自動で行われる高精度な検品、次工程へ即座に回せる、という点から同社の顧客対応力・サービス力は大きく向上した。「印刷後すぐに後加工ができるので、次工程以降の作業時間が大幅に短縮された。そのため、翌日納品などの超短納期の仕事も受注できるようになった。印刷稼働時間も40%アップしているので、台数も稼げる。また、品質管理や濃度管理を印刷機に任せられることで、オペレーターのストレスも大幅に改善された。刷り出し損紙が4分の1に削減できたこと、印刷不良がないことなどを考えると、印刷したものすべてが売上に繋がる印刷機だと実感している」(井上本部長)

 

さらなる新技術を開発して

営業マンの対応の幅を拡大

 

同社では今後、「DIAMOND V3000LS-5+LED-UV」の能力を活かし、特色や金、銀、蛍光色、ニスなどを使った印刷や、乾燥しにくい用紙での短納期対応などを積極的に提案していくとともに、これまでの同社と同様の苦労をしている同業者の駆け込み寺のような存在になることを目指す。「高品質と短納期対応に加え、“DIAMOND V3000LS-5+LED-UV”の能力をベースにした新しい技術・商品の開発・研究をし、顧客への提案力を上げることで、“DIAMOND V3000LS-5+LED-UV”が活用する場面をもっと増やしたい。顧客の思いを具現化するための幅が広がったので、営業マンも自信と安心をもって顧客に細やかな対応を提供することができる」(小野社長)

 

月刊 印刷界 2015年4月号掲載【取材・文 小原安貴】

 

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