2016年04月27日

稲木歳明

稲木歳明会長

印刷工業会(稲木歳明会長)は、4月20日午後4時から東京・元赤坂の明治記念館で「印刷を魅力ある業界に」のスローガンのもと活動報告会ならびに懇親会を開き、約200人が参加した。報告会では昨年4月から1年間の活動状況について12部会を代表して出版、商業印刷、紙器印刷・軟包装、女性活躍推進の4部会の部会長が発表した。

 
報告会に先立ち、稲木会長がスローガンの「印刷を魅力ある業界に」についてその狙いなどについて次のとおり説明した。

 
「当会では、昨年4月から『印刷を魅力ある業界に』というスローガンを掲げ、部会ごとに活動している。この活動は、もともとは用紙の一斉値上げに端を発し、業界全体で知恵を出して何とかこの状況を打開していこうということで、大手も中堅も一緒になって積年の課題の改善を図ることを目的にスタートしたのが始まりである。魅力ある業界の定義として、従業員が誇りをもって働き、学生が憧れる業界と考えている。そして、先端の技術を擁して文化の担い手として人々の暮らしと深く関わる業界が誇れる業界である。これを大いにアピールし、課題に対しては真摯に改善に取り組んでいきたい。一朝一夕にはいかないかもしれないが、今着手することで必ず変化は訪れる。今の若手が中堅社員になるころ、昔はこんなことが行われていたと語られる時がきっとくると思っている。
本日は改革に取り組むリーダーの皆さんから直接報告を受けることを大変楽しみにしている。参加者の皆さんには、会社の枠を超えて業界のために取り組む姿をしっかりと受け止めてほしい」

 
報告会に入り、小野隆弘専務理事が12部会の活動内容を紹介したのち、代表して出版、商業印刷、紙器印刷・軟包装、女性活躍推進の4部会の部会長がさらに詳しく活動内容について発表した。

 
最後の総評では、浅野健副会長が各部会の委員らを労うとともに、「今年、皆さんの会社では何人の新入社員を迎えられたか。5年後、10年後、彼らがこの会社に入って本当に良かったと何人の方が思ってくれるだろうか。その責任はまさに今この業務に従事しているわれわれにあるはず。同時に今のわれわれはどうなのか。不満や解決すべき課題は沢山ある。1社では解決しにくい問題も沢山あると思う。それを日本の印刷産業の業界団体で最も強く、影響力を持っている印刷工業会で共通の問題点をお互いに出しながら、昔から印刷業はそういうものだと言わずに、気が付いた時から始めよう。印刷業を魅力ある業界にしていくためには数々の課題があると思うが、沢山あるから面白い。今できないことは次の世代にゆだねていこう。しかし、一歩でも進めないことには次の世代に軽蔑されるだけだ。一緒に半歩でいいから前進させよう。当会は部会活動がその実態である。部会活動がさらに現実的な成果を上げていけば、当会の存在は一層重要になってくる。部会の成果に対して会員各社の経営層にはご理解と実行していただくことを確約してほしい」と訴えて報告会を終了した。

 
このあと、別室で懇親会が開かれ、参加者は会社の枠を超えて情報交換と交流を図った。

 
各部会の27年度の主な活動内容は次のとおり。
出版印刷部会=震災の教訓から、雑誌のBCP対応プロジェクトを雑誌協会他と立ち上げた▽同業間での空車活用をスタート。テスト運用を経て本格展開へ▽業界の問題点を洗い出し、印刷、顧客双方にメリットの出る解決策を模索▽教科書部会の「改善提案」も参照

 
教科書部会=「教科書改善提案2016」を作成。教科書協会に提案し、教科書製作のミス、ロス削減を図り作業効率のアップ、品質向上をめざす▽出版印刷部会の双方メリット施策の活用も視野に活動した

 
商業印刷部会=業界の課題抽出アンケートを実施し、「見積書の改善提案」に絞り検討▽独自の製品開発で強味を発揮している企業に講師を依頼し、商品開発に至る経緯や成功のポイントを学ぶ▽若手社員、女性社員で2回ディスカッションを実施、業界の課題を抽出

 
紙器印刷部会=各社の若手によるディスカッション2日実施▽業界としての情報のプラットフォームを構築し、品質基準などの共有化を図る▽将来、包装業界を支える、学生にアピールする手法を考える

 
軟包装部会=各社の若手によるディスカッション3日実施▽包装というくくりで、共通点の多い紙器印刷部会と共同で取り組む

 
液体カートン部会=アルミ付紙パック、酒パック、LL紙パックなどのリサイクル推進活動を、他団体と共同で実施するなど環境問題に取り組む▽液体紙パックの夾雑物(汚れ)の基準を作成し、用紙の無駄の排除に取り組んでいる▽業界の問題点洗い出し調査を開始

 
建材部会=建装材から放散される4VOCの基準を定め、安全基準値に収まる製品を提供できる仕組みを構築、運用している▽昨年度から化粧板用印刷紙の合法性照明の認証制度を発足、違法な森林伐採を防ぎ、環境破壊を防ぐ活動を開始

 
情報セキュリティ部会=顧客に最新の情報を提供できるよう、情報収集のための勉強会、セミナー、見学会を複数回実施(インバウンドビジネスの現状、情報セキュリティビジネスの格付けのしくみ、マイナンバー制度の最新情報など)

 
資材部会=市場、為替の乱高下する中、情報収集に努め、用紙、フィルム、関連資材、エネルギーなどの情報共有に努めた▽関連業界の工場見学を実施、見聞を広めた

 
教育・研究部会=会員企業の事業基盤の強化および人材育成支援のためのセミナー、講演会の企画運営を行う▽「9月印刷の月」協賛特別講演会開催▽管理者研修会開催

 
技術部会=印刷関連各方面の情報を集約、会員に発信することで、業界の魅力度の向上を図る▽会員向け技術情報誌『PID』を発行、ヒューマンエラーを防ぐマネジメント、高品質フレキソ、UVインキの現状、透明バリアフィルムの特集を掲載

 
女性活躍推進部会=初年度の部会+1分科会から、2年目は3つの分科会(意識改革、ワーク・ライフ・バランス、マネジメント)を立ち上げた▽キックオフミーティングを経て、業界内事例研究会、中間報告会を実施。分科会による最終報告会を女性活躍法対応セミナーと同時開催した。28年度は5月30日にキックオフするため、現在分科会参加者を募集中

 

 

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