2016年03月30日

印刷同友会(泉直人幹事長)は3月23日午後6時から東京・有楽町の成城クラブで「インダストリー4・0によって何が変わるか」をテーマに福田真太郎幹事(真興社社長)の講演を聴いた。

 

冒頭、泉幹事長が「10年後、20年後をみると、多くのことが人口知能にとって代わられるということを聞く。今日のインダストリー4・0をテーマにした講演もそうしたところにつながっていくのかなと思っている。近未来の姿を勉強したい」とあいさつ。続いて福田幹事が「真興社(東京都渋谷区猿楽町19の2)は、1919年創業、社員数約50人、医学書・工学書など自然科学書の印刷を行っている。もうすぐ100周年になる」と自社を紹介してからインダストリー4・0の時代の印刷会社のあり方について説明した。

 

 

福田真太郎社長

福田真太郎社長

最後は1人で年商10億円の印刷会社を経営する。これが10年来の目標である。受注から印刷・納品までを自動化によって1人で行おうと考えている。
IoTやインダストリー4・0に代表される技術や考え方、大量生産からマス・カスタマイズへとものづくり環境が変化していくことを受け、その中で無駄のない製造体制、収益性の高いビジネスモデルを実現するためのモデルを構築した。

 

当社が提供するあらゆる製品、製造工程をインターネットによってビッグデータと結び付け、工程全体のダウンタイムを最小限に食い止め、ミス、ロス、生産ログをリアルタイムで記録する新しい仕組みを開発した。
これまでの印刷会社は、仕事が増えていくと、人も増え、営業も増え、機械も増えということで、会社全体として人数がどんどん増えていった。それがよしとされた時代もあった。これからはそうではない。
最終手段である印刷機が増えていくのは仕方がない。仕事をとるための営業が増えるのも仕方がない。
しかし、他の部分は自動化していかなければならない。そこをCIP4が担っていく。

 

インダストリー4・0は、ドイツが目指す第4次産業革命である。機械化(第1次)、電力活用(第2次)、自動化(第3次)に続く産業革命である。
第1次産業革命では蒸気機関の発明によって機械でものをつくるようになった。第2次産業革命ではベルトコンベアーにのせて生産活動を行うようになった。フォードに代表される自動車の生産がある。第3次産業革命ではそれがロボット化された。
第4次産業革命ではサイバー・フィジカル・システム(CPS)になる。人工頭脳的なロボットの周囲に部品をおいて1台で組み立てる。4台あれば4倍の生産性になる。いままではラインにのせた単体の仕事しかできなかったが、人工知能で人間の手のように動くので部品さえあれば、さまざまなものの組み立てができる。
サイバー・フィジカル・システムで「スマート工場」になっていく。
IoT、人工知能、遠隔監視、ビッグデータの利用、それをインターネットや衛星をつかって動かす。それによって生産性が上がるということらしい。
サイバー・フィジカル・システムでは、フィジカル(工場現場)から、サイバー(IT)へデジタルデータを吸い上げる。人工知能を活用して製造をシミュレーションする。一番効率的な生産を計算、見つけていく。
サイバーからは現実の工場にフィーバックする。これをほぼ自動で行う。工場の設備に直接、指示する。
人は、それをモニターする。見てればいい。そうなっていく。

 

インダストリー4・0でいま何ができるのか。
生産状況のリアルタイムの把握、継続的モニタリング、生産ライン管理、遠隔機械プリセット、こういうことは本社で行う。工場はどこにあってもいい。
プロダクション・ワークフロー(工場)とマネージメント・インフォメーション・ワークフロー(事務所)とがリアルタイムにつながっていき、営業マンは、顧客の声(VOC=Voice of the Customer)を聴き、気づいたらすぐに現場に伝える。この仕組みに感心した。

 

CIP4の世界はインダストリー4・0がいっていることと同じだ。
効率的生産をめざし、社内のネットワーク化をすすめる、「部分最適」化ではなく「全体最適」化で応える、単独管理ではなく群管理、安定した印刷品質を生産するにはデジタル化が不可欠という考えを示した。ネットワークでつながっているので、経営者、経理、営業、工務の情報の共有化ができる。

 

インダストリー4・0では、製造実行システム(MES)、フィールド機器制御システム(PLC)、総合業務システム(ERP)すべてを垂直統合していくといっている。印刷もまったく同じことをやっていた。
印刷の場合、MISとRIP装置が合体していく。営業がもってきたものをMISにかけてRIPして印刷する。オンラインで受注してEQUIOSにかけて印刷する。すべてネット上で行える。

 

「最後は1人で」ということから、全部外注してしまうことが考えられる。BPO外注発注管理システムである。
また、オンライン校正の自動化システムもある。「最後は1人で」ということが可能になってきた。

 

 

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