2016年04月02日

日本印刷産業連合会が昨年9月に実施した「印刷業界におけるデジタル印刷に関するアンケート調査」で、2015年のデジタル印刷市場の現状が明らかになった。

 

同調査は2010年に始まり年1回実施している。調査先は印刷設備を主力な生産設備としている会員8団体から抽出した558社にアンケート用紙を郵送し、135社が回答した。回答企業の80%(108社)で推計300台以上のデジタル印刷機を保有、1社平均2・9台となった。デジタル印刷機の生産機としての利用率も高まっていて、月間印刷ページ数(A4判面積当たり)が5万ページを超えている回答が34件あり、デジタル印刷機保有社数(108社)の32%にあたる。
 
前回調査より全般に保有率が向上しており、とくに伸び率が大きいのが全日本シール印刷協同組合連合会、全国グラビア協同組合連合会、全日本スクリーン・デジタル印刷協同組合連合会で、主力品目の生産に対応できるデジタル印刷機の機種が揃ってきたことにより、これらの業界でもデジタル印刷機の普及期に入ってきた。

 
今回はデジタル印刷機保有企業の分析は保有企業全体(全デジタルと略記、108社)、上位グループ(デジタル印刷月間5万ページ/A4面積当たりの回答の34社、以下「上位G」と略記)をデジタル印刷ビジネスの利用促進を学ぶべきケースとして比較検討した。

 
それによると、デジタル印刷機の保有台数の合計は全デジタルの回答からの推計で302台となり、1社平均は2・9台。内訳はトナー方式179台(59%)、インクジェット方式116台(39%)、ハイブリッド印刷7台(2%)だった。

 
月間出力ページ数(A4換算)は、回答件数が少ないものもあり参考値として、全デジタルではトナー方式の出力ページ数は月間2082万ページ(回答数55)で1社平均37万ページ、インクジェット方式は月間337万ページ(回答数26)で1社平均14万ページ、ハイブリッド印刷は651万ページ(回答数3)で1社平均217万ページとなった。

 
方式別のメディア形態や種類について、全デジタルではトナー方式はカット紙が85%に及び91%は紙メディアを使用している。インクジェット方式のデジタル印刷機は高速の連帳機(輪転型)、ワイドフォーマットなどが存在し、最も多い回答がモノクロとカラーのロール紙を合わせると43%、メディアは用紙が7割、フィルムが3割となった。ハイブリッド方式はカット紙が6割、ロール紙が3割、シール・ラベルが14%あった。メディアは100%用紙。

 
今回、初めての試みとして、デジタル印刷ビジネスの大きさを有版印刷売上に占めるデジタル印刷売上の比率から類推した。デジタル印刷売上が有版印刷売上を超えてしまっている(101%以上)という回答が全デジタルで回答社数の6%、上位Gには5%存在した。一方で、いまだに5%未満という微々たるビジネス展開に留まっているところが、全デジタルでは回答社数の47%、上位Gでは57%にも及ぶことが明らかになった。

 
売上高1位のデジタル印刷物を全体集計と上位Gで比べると、とくに1位から5位は一部順位が異なるが同じ品目が並ぶ。全デジタルでは①商業印刷②事務用印刷③シール・ラベル④ブックオンデマンド⑤データプリントの順で5品目の合計比率は全デジタルの77%に対し、上位Gはデータプリントが3位で合計は79%とほぼ同じだった。

 
デジタル印刷機の導入促進について、全デジタルでは「提案型営業、極小ロット対応、バリアブル出力、顧客啓発、多能工化、データ作成の自動化」の回答で6割を占めており、上位と同じような認識になってきた。デジタル印刷ビジネスの拡大に必要な営業活動やデジタルの特徴を生かした受注品目の重要性への理解度や取り組みが普及してきたと言える。

 

 

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