2016年03月08日

富士フイルム(中嶋成博社長)は、「drupa2016」に、「Value from Innovation」をスローガンに掲げ、日本の伝統的な文様である「三つ巴」――技:トラディショナル・テクノロジー、新:インクジェット・イノベーション、結:カスタマー・ケア/パートナーシップ――をテーマに出展する。プレdrupa2016インターナショナル・メディア・カンファレンスの2日目3月1日午前10時(=現地時間)からのプレゼンテーションで富士フイルムグローバルグラフィックシステムズの真茅久則社長が説明した。

 

 

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真茅久則社長がdrupa2016に向けた事業戦略について説明した

 

富士フイルムは、drupa2016で、コーポレートスローガンである「Value from Innovation」を印刷分野で具現化するためのさまざまな提案を行い、多彩なソリューションを発表する。富士フイルムの最先端技術によって印刷事業の未来がどのように変わっていくのか、その未来は既存事業とどのように繋がっているのか。「デジタルが進化したいまだからこそ考えるべき方向性」を、体系的なプレゼンテーションにより提示する。

 

コーポレートスローガン「Value from Innovation」

 

創業80年を迎えた2014年に、新たなコーポレートスローガン「Value from Innovation」を定めた。このスローガンには、「皆さまの明日のビジネスや生活の可能性を広げるために、心躍る革新的な『技術』『製品』『サービス』を生み出し続けていこう」という、強い意志が込められている。創業当初からグラフィック事業に注力してきた。その長い歴史の中で蓄積した「有機・無機材料化学、画像・光学技術、解析・製造技術」など多岐にわたる高度なコアテクノロジーと、「製品・サービスの提供により印刷業界をリードしてきた経験」は、私たちにとって、次の新たなイノベーションを実現する大きな原動力になっている。

 

グラフィック事業における2大戦略「省資源」「Inkjet Technology」

 

いま印刷業界で実現しようとしている「Value from Innovation」は2つある。

1つは、従来からある技術や製品・サービスを有機的に結び付けることによって実現する「省資源」である。省資源は、印刷業界が最も環境に貢献できる最重要なイノベーションであると、考えている。
1つは、世界最先端ともいうべき技術革新の組み合わせにより、従来にない画質、利便性をもたらし、印刷業界に新たな価値を提供する「FUJIFILM Inkjet Technology」である。

省資源への取り組み

長い間、オフセット印刷の領域でビジネスを展開してきた。そこでは、時代の大きな流れである「アナログからデジタルへの急速な転換」によりプリプレスの形態が激変すると同時に「小ロット・短納期要求」が強まり、プレス、ポストプレスにおける「生産性についての考え方」も大きく変わりつつある。
また、価格に対する要求も厳しさを増しており、非効率的な製造要因はすぐに見直す必要がある。
その一方、地球規模で環境問題が議論され、世界中の印刷会社は「廃液や消費エネルギーの削減など、効果の見える製造工程の環境対応」が求められている。現在はまさに「コストと環境、2つの課題への対応力を兼ね備えた事業者のみが生き残っていける時代」といえる。

これら「コストと環境」という最重要課題を「省資源」というイノベーションで同時に解決しようと、ソリューションの拡充に取り組んでいる。

まず、オフセット版やフレキソ版のプレートメーキング分野。この分野では「印刷品質と環境性能の高次元な両立」を最大のテーマに開発を進めている。個々の製品性能の向上だけでなく、印刷工程そのものを分析し、そこで発生するさまざまなコストの最小化とパフォーマンスの最大化にも取り組んでいる。

その結果生まれたのが、オフセット印刷における「SUPERIA」である。
また、新しい領域のフレキソ分野では、水現像フレキソ版の「FLENEX」で省資源を実現する。

この2大ソリューションが、印刷会社に、「高品質で安定した印刷資材を使いこなして、損紙を削減しながら印刷機の稼働率を向上させる」「環境対応を図りながら、従来型のアナログ印刷においてもこれまで以上に収益性を高める」という、明確な付加価値をもたらす。

 

 

FUJIFILM Inkjet Technologyの追求

デジタル印刷は、「短納期対応」や「可変印刷によるOne to One Print」など、アナログ印刷にはない価値を提供できるという点で、印刷業界の未来を創造する新しい武器になることは間違いない。

「印刷会社の企業価値を高め、最大の戦力になり得るデジタル印刷機」について考え続け、その信念を製品という形にするために、あらゆる角度からインクジェット技術を磨き続けてきた。

インクジェットによるマーキングのコア技術は「プリントヘッド」「インク」「画像処理」の3つである。そのすべてが必要不可欠である。それぞれに最先端の技術を投入し、なおかつ全体をすり合わせ最適化することが、高品質で安定性の高いデジタル印刷機を開発するための大きなポイントになる。

drupa2016では、この3つのコア技術における当社独自の強みを「FUJIFILM Inkjet Technology」として発表する。

FUJIFILM Inkjet Technologyをフル投入し3つのコア技術を進化させ組み合わせることで造り上げた「Jet Press 720S」は、デジタル印刷機ラインアップにおけるフラッグシップ機である。

Jet Press 720Sの最大の特徴の一つは、オフセット印刷を凌駕する画像品質である。デザイナーや写真家を驚かせる仕上がり品質は、印刷事業者の存在価値を高める強力な武器になる。しかし、どんなに優れた品質性能を実現しようとも、Jet Press 720Sは決して現状にとどまることはない。究極的なデジタル印刷機を目指し進化を重ね、その信頼性・汎用性に磨きをかけ続けていく。

 

 

業界全体にイノベーションを起こす「FUJIFILM Inkjet Technology」

「FUJIFILM Inkjet Technology」は、自社製品の枠を超え印刷業界全体にイノベーションを起こせる、スケールの大きなテクノロジーである。すでに、ハイデルベルグ社と共同開発した次世代のB1インクジェットデジタル印刷機「Primefire 106」にも存分に活かされている。

オフセット印刷機で業界をリードしてきたハイデルベルグ社と最先端のインクジェット技術を保有する当社の強固なパートナーシップにより、紙器パッケージ分野のショートランのニーズに対応するとともに、業界最高レベルの品質を提供する。

同時に、軟包装印刷向けのデジタル印刷機や広色域のワイドフォーマット機など、当社が取り扱うデジタル印刷機のラインアップ拡充のためにも、積極的に活用していく。
今後はさらに展開の範囲を拡げ、FUJIFILM Inkjet Technologyによる品質向上や工程の簡易化を、工業印刷などの他分野でも推し進めていく

 

 

省資源、インクジェットを中核にしてグラフィック事業を推進

印刷業界において「設備の導入が売り上げと利益に直結する時代」は、もはや過去のものになった。現在は、自社が得意な領域とその近傍で、課題を見極め、それを打開するための方策を講じ、自ら前進してゆくことが重要である。その支援ができるように、既存のアナログ印刷を中心とする省資源と、新たなデジタル印刷分野を対象にしたFUJIFILM Inkjet Technologyを、当社が提唱する「Value from Innovation」の中核に据えてグラフィック事業を推進し、印刷業界全体の発展に貢献していく。

 

 

日本の伝統的な紋様「三つ巴」をコンセプトに出展

drupa2016では、「富士フイルムの事業戦略および製品とソリューションが、どの分野にどのようにイノベーションを起こすのか」さらに「富士フイルムはどんな姿勢でものづくりに挑んでいるのか」を、多角的なプレゼンテーションで示していく。

 

日本を代表する企業として、日本固有の「ものづくりへのこだわり」と「おもてなしの文化」を大切にし続けてきた。「ものづくりへのこだわり」は「品質へのこだわり」でもあり、それを支える「技術へのこだわり」でもある。「おもてなし」は、お客さまへのあらゆるサポートの基本であると考えている。

 

80年以上の歴史が育んできた伝統的な技術、最新のインクジェット技術やソフトウェアなどによるイノベーション、そして顧客の事業拡大を実現する戦略的なサポート。印刷業界に提供できるこれらの価値を、富士フイルムブース(Hall8b,A25)では、日本の伝統的な文様である「三つ巴」を使って伝える。

 

 

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