2016年02月22日

富士フイルム(中嶋成博社長)および富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ(FFGS、真茅久則社長)と、Heidelberger Druckmaschinen AG(ハイデルベルグ社、ゲ-ロルト・リンツバッハCEO)は、枚葉インクジェット印刷機として世界最大(=シングルパス方式の枚葉インクジェット印刷機として世界最大。富士フイルム調べ)のB1用紙サイズに対応した次世代インクジェットデジタル印刷機を共同で開発した。

 
2016年5月31日からドイツ・デュッセルドルフで開かれる世界最大の印刷機材展「drupa 2016」のハイデルベルグ社ブースに、共同開発した試作機を、ハイデルベルグ社「Primefire 106」として出展する。
 

共同開発した試作機

共同開発した試作機

 

 

富士フイルムおよびFFGSとハイデルベルグ社は、2013年11月に、デジタル印刷市場で拡大が期待されるインクジェットプリンティング分野での業務提携を開始。インクジェットデジタル印刷機に関する販売面の協業や、富士フイルムからハイデルベルグ社へのインクジェットヘッドなどの供給を進めてきた。2015年1月には、次世代インクジェットデジタル印刷機の共同開発契約を締結。富士フイルムのインクジェットヘッド技術や、インク技術、マーキング技術とハイデルベルグ社の機器開発技術を活かした商品開発を進めてきた。
 

 

紙器、ポスター・カレンダー印刷に

 

今回共同開発した印刷機は、枚葉インクジェット印刷機として世界最大のB1用紙サイズに対応し、紙器パッケージを中心に、ポスターやカレンダーなどの印刷にも適している。

 

また、シングルパス方式(=記録媒体に対してヘッドを1回だけ走査させて印刷を完成させる方法。印刷スピードが要求される業務用印刷に向いている)での高速印刷を可能とする富士フイルム独自のインクジェットヘッド技術「SAMBA Technology」(=プリントヘッドをモジュール化し、プリントヘッドの長尺設計を容易にすることで、シングルパス方式で大サイズの高速印刷を可能とする米国FUJIFILM Dimatixフジフイルムダイマティックス社の技術)とインク中の顔料を高速に凝集させるRAPIC(ラピック)技術(=Rapid Pigment Coagulation Technologyの略。インク中の顔料を高速凝集させることによって、インクのにじみを防ぎ、高精細な画像の再現を可能とする技術)を搭載。

滲みのないシャープさと、独自の4階調変調方式(4段階の異なる大きさの点(印刷なし/小点/中点/大点)を組み合わせて、よりなめらかな階調で画像を再現する方式)による階調再現性で、高密度かつ高精細な描写を実現する。

 

 

さらに、富士フイルムが新開発した7色(=シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、オレンジ、グリーン、バイオレット)の水性顔料インクは、業界最高レベルの幅広い色域を実現するだけでなく、食品包装や医薬品の紙器パッケージに適した安全性を兼ね備えている。高い色安定性により、厳密な色再現が求められるコーポレートカラーの印刷にも対応する。
 
紙器パッケージの分野では、消費財である商品そのものの多品種少量化が著しく、紙器自体にも小ロット印刷への対応が求められる。本来、小ロット印刷は、印刷の立ち上がりが速く、刷版工程が不要なデジタル印刷が適している。しかし、パッケージ印刷の工程に最適なB1用紙サイズに対応し、かつオフセット印刷レベルの高画質を実現するデジタル印刷機はこれまで存在せず、印刷会社は小ロット単位での注文に対しても、大量部数の印刷に適したオフセット印刷機で対応しているケースが多かった。

 

このような中、同印刷機は、高い生産性により印刷工程の効率を大幅に向上させ、小ロットのニーズが高まっている紙器パッケージ印刷の業界にイノベーションをもたらすと期待される。

 

今回発表した次世代インクジェットデジタル印刷機は、「drupa 2016」後に市場テストを進め、2017年後半に、両社の販売網を通じて発売する予定。

 

 

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