2016年02月10日

出版科学研究所によると、2015年の出版物(書籍・雑誌合計)の推定販売金額は前年比5・3%減(845億円減)の1兆5220億円となった。減少は11年連続だが、2014年の同4・5%減を上回り、過去最大の落ち込みとなる。販売金額の内訳は、書籍が同1・7%減の7419億円、雑誌が同8・4%減の7801億円。雑誌市場の衰退が一気に進み、不振が響いている。

 

 

出版物販売金額2015

出版物販売金額の推移(出版科学研究所調べ)

 

 

書籍は消費税増税で大きく落ち込んだ14年に対して小幅な落ち込みにとどまった。年間を通して各ジャンルでヒット作が登場し、とくに文芸書の健闘が目立った。その原動力となったのが又吉直樹氏の『火花』。7月には芥川賞を受賞し、累計240万部超の大ヒットを記録し、書店への来店客数アップにも貢献。また、15年でミリオンセラーに達したのも同書のみである。又吉氏が各メディアで紹介した文芸書もヒットするなど書籍全体の販売増にも繋がった。

 
雑誌の内訳は月刊誌が同7・2%減の6346億円、週刊誌が同13・6減の1454億円と18年連続のマイナス、かつ過去最大の落ち込み。雑誌の衰退はさまざまなところに影響を及ぼし、中小書店の廃業が止まらないのも雑誌の不振が一因。総合取次である栗田出版販売の破綻・民事再生手続きもその流れにある。雑誌を中心にした物流インフラを保持できなくなり、物流協業化がより進むとみられる。
 
 

電子出版は1502億円、前年比31・3%増

 

電子出版市場は1502億円、前年比31・3%増となった。内訳は文字ものの「電子書籍」が同18・8%増の228億円、コミックの「電子コミック」が同30・3%増の1149億円、雑誌の「電子雑誌」が同78・6%増の125億円となった。
とくにコミックだけに限れば、紙の市場(暫定推計)と電子コミックを合計すると3269億円、同4・2%増の大幅増となっている。電子コミック伸張の背景にはスマートフォン対応アプリなどの存在も大きい。
15年の紙市場と電子市場を合算した市場は、総合計1兆6722億円(紙1兆5220億円+電子1502億円)で前年比2・8%減となった。

 

 

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