2016年02月06日

凸版印刷は、白球(東京都目黒区、佐々木啓庄社長)、昭和機電(広島市、奥田透也社長)と共同で、セグメント型カラー電子ペーパー技術を活用したイヤーアクセサリ「VIEWS(ビューズ)」を開発した。
 

アパレルメーカーやファッションデザイナーとの共同開発向けに、2016年2月上旬からプロトタイプのサンプル提供を始める。3社は本製品をアパレルメーカーなどへ提案、2016年内の製品化を目指す。3社は今後も、製品・サービスの開発を共同で進め、生活者に対し新しい体験を提供していく。
 

同製品は、正三角形のセグメント型カラー電子ペーパーを正四面体の側面に搭載することで、それぞれの絵柄を好みのデザインに書き換えられるイヤーアクセサリ。電子ペーパーの特徴である低消費電力や広視野角、軽量性などにより、一般的なアクセサリと同等の装着感を実現した。
 

同製品の開発にあたり、凸版印刷は企画開発と電子ペーパー部材の供給を、白球は企画ディレクション・プロデュースを、昭和機電は表示デザイン制作とモジュール開発を行う。

 

プロトタイプは、セグメント型カラー電子ペーパー、正四面体(1辺3cm)、約3グラム(本体のみ。外装素材がチタンの場合)
 

 

今回試作した「VIEWS(ピアス形状)」(左)と、「VIEWS(イヤリング形状)」の装用イメージ(右)

「VIEWS(ピアス形状)」(左)と、「VIEWS(イヤリング形状)」の装用イメージ(右)


 

 

ファッションとテクノロジーの融合は、近年盛り上がりを見せている市場の一つである。その多くはトラッキング機能や通信機能を搭載したもので、ウェアラブル端末として多くの新製品が登場している。
電子ペーパーは、液晶ディスプレイなどの表示機と比較して消費電力が少なく、視野角が広いといった特徴があり、電子機器の表示部や棚札、ラベルなどの産業用途での活用が広がってきている。
 

凸版印刷は、これまで電子ペーパー事業に積極的に取り組んでおり、大型サイズではデジタルサイネージ向け、中小型サイズではおもに電子ラベルや電子POP向けに電子ペーパーモジュールを提供。自社で製品設計から製造までを行える強みを活かし、多岐に渡る用途開発を行っている。
 

今回、イノベーション創出のための新手法として注目される「デザイン思考」をベースとした新事業開発プロジェクトを、白球や昭和機電と共同で実施。テクノロジーよりもファッション性を主体とし、2015年9月に凸版印刷が開発したセグメント型カラー電子ペーパー技術を活用することで、ユーザ自身によるデザインの変更が可能な新しいファッションアイテムの試作に成功した。さらに薄型・軽量のセグメント型カラー電子ペーパーの特徴を活かし、従来のアクセサリと変わらない装着感を実現した。

 

 

特徴は次のとおり。
 

▽電子ペーパーをファッションアイテムに活用
これまでディスプレイや表示機など産業用途として展開していた電子ペーパーを、ファッションアイテムとして活用。白球、昭和機電の持つノウハウを取り入れることで、イヤーアクセサリというまったく新しい用途開発を実現した。
 

▽50通り以上のデザインパターンに書き換えが可能
表示部にはセグメント型電子ペーパーを用いているため、専用の機器に接続することでセグメント単位での表示の書き換えが可能。
 
 

専用機器の上に乗せてボタンを押す(左)だけで書き換えられる、デザインパターンの一例(右)

専用機器の上に乗せてボタンを押す(左)だけで書き換えられる、デザインパターンの一例(右)


 
 

▽ユーザ体験を重視した設計
本体にはバッテリーや通信機能を搭載せず、表示部以外の機能はすべて専用機器に実装したことにより、軽快な着け心地を実現した。また専用機器に載せてボタンを押すだけでデザインの書き換えが可能なため、その日のコーディネートやシーンに合わせてデザインを切り替えるという新しいライフスタイルを提案。ユーザ体験を重視した設計となっている。
 

▽デザイン性が高く、見やすい表示
表示させる形状に併せて背面基材に高精細な電極を形成することで、デザインを滑らかに美しく表示できる。
 

▽部分的なカラー化に対応
高精度な印刷技術により、電極形状に合わせた部分的なカラー化を実現した。
 

▽薄型で軽量かつフレキシブル
樹脂フィルム基材を採用することで、薄くて軽量かつ割れないディスプレイを実現した。

 

 

「VIEWS」公式HP: http://tos.gives/views/

 

○デザイン思考 問題解決の際に、優れたデザイナーが行う思考方法を体系化したもので、教育プログラムとして著名なものにスタンフォード大学d.schoolやイリノイ工科大学Institute of Designなどがある。具体的には市場や顧客における本質的な問題を発見・定義し、試行錯誤を繰り返しながらその解決方法を創造するというプロセス。
ビジネスにデザイン思考を適用させることは、変化が激しく不確実性の高い市場において、創造的問題解決と新事業創出の手法として注目されている。

 

 

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